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ヘアークラック?白華?知っておくと安心
コンクリートの豆知識

外構工事には欠かせないコンクリート。クラックや白華などよく耳にする現象についてもご紹介します。

こんにちは!愛知県安城市、刈谷市、知立市を中心に三河地域の外構・造園の設計および施工を行っている株式会社ルボワです。ルボワについての詳しいご案内は、ぜひこちらをご覧ください。

外構工事には欠かせない素材のひとつ、コンクリート。カーポートの基礎や駐車場の舗装、ブロック積みの基礎など、見えていてもいなくても重要な役割を果たしています。今回は外構工事にはなくてはならないコンクリートについて、その特性や留意すべき点、よく質問のあるモルタルとの違いなどをあわせてお伝えしていきます。

目次

  1. コンクリートとは?モルタルとどう違うの?
  2. クラックについて
  3. クラックの対処法
  4. 白華について
  5. 白華の対処法
  6. 今回のまとめ

コンクリートとモルタルはどう違うの?

そもそもコンクリートとは、セメント+砂利+砂+水を練ったもののことです。先述したように建物やカーポートの基礎、駐車場の舗装など強度が必要な場所に使われます。では、よく聞く「モルタルとの違い」は何でしょうか。見た目はそんなに大差ないように見えますが、大きな違いは砂利が入っているかどうかです。モルタルとは、セメント+砂+水を練ったものを指し、コンクリートほどの強度はありません。ですから、それほど強度がなくても問題のないレンガやコンクリートブロックを積む際の接着剤としてや、ステップ表面の仕上げなどに使われています。

クラックについて

建築や外構の工事を知っている方なら一度は聞いたことがあるクラックという言葉。これはひび割れを意味しており、特に表面にあらわれる髪の毛のように細いひび割れをヘアークラックと呼んでいます。このひび割れには主な原因が二つあります。

クラックの原因

  1. 地盤沈下が原因
    もともとの地盤が悪かったり、コンクリート下の砕石の転圧が不十分だったりすると、クラックの原因の一つとなります。
  2. コンクリートが原因
    外気温との温度差:セメントと水の化学反応によりコンクリートに熱が生じ、外気温との差ができることでひび割れが生じます。
    乾燥による収縮:打設後の表面が乾燥することでコンクリートが収縮、膨張し、ひび割れる原因となります。

クラックの対処法

では、クラックが起こらないようにするにはどのような対処法があるのでしょうか?結論から言うと、ひび割れはいつかは必ず起きてしまいます。コンクリートの性質上、ひび割れを完全に防ぐことはできませんが、なるべく最小限にとどめる方法はいくつかあります。

クラック(ひび割れ)を抑制する方法

  • ワイヤーメッシュを入れる
    メッシュとはコンクリートの中にいれる鉄筋のことで、伸びる力に弱いコンクリートの特性をカバーしてくれます。
  • 一定の面積ごとに伸縮目地またはスリットを入れる
    目地を一定の面積ごとに入れることで、コンクリートを区切り、収縮・膨張しても最小限の負担で済むようにします。
  • 不規則な形にしない
    鋭角な部分や形状、大きさの違う部分からはひび割れが生じやすくなります。理想は真四角で、その中に桝や柱などが入っていない状態を作り出すことです。

ワイヤーメッシュを入れたり、目地やスリットを入れたりするのは設計・施工をする側が特に責任を持たなければならない部分です。お客様のリスクを最小限にするべく、対策をすること、使用する素材の構造や性質を考慮した施工をすることが専門家として求められます。
もしもお客様から「こんなデザイン(例えば不規則な形の土間)をやりたい!」と言われた場合でも、「出来る・出来ない」という回答だけではなく「なぜ出来ないのか」「なぜこうした設計をおすすめするのか」をきちんと説明します。

昨今では、インターネット上で価格の安い業者を見つけるのはとても簡単です。しかしその分、見えないリスクを負っているという可能性もあります。

白華について

続いては、白華(はっか)についてです。こちらもコンクリートを使用する際には必ずどこかで耳にすることになるのですが、コンクリートの材料であるセメントと空気中の炭酸ガスとの化学反応で起きる現象と言われています。施工後すぐが現れやすく、特に春先や冬に見られることが多いです。構造上は全く問題ないのですが、表面上に白く染み出してきてしまい、見た目が悪くなってしまうのが最大の問題です。セメントを使用している場合はどこでも起こりうるものなので、こちらも完全に防ぐということは出来ません。

白華の対処法

白華現象は化学反応ですので、いくら腕の良い職人さんが施工しても起こりうるものです。しかし、施工をする前に白華防止剤を使用することで、回避することができます。もしも施工後に白華現象が起きてしまったら、白華除去剤を使って取り除きましょう。

白華はアルカリ性のため、酸性の洗剤で落とすことができますが、素材や皮膚などを傷める可能性がありますので、直接付けたり触ったりしないようにしてください。

エフロカット

コンクリートを練る前の水に混ぜたり、上から散布して浸透させたりすることで白華が起こるのを抑制します。

アクトル

白華した箇所にブラシなどで塗り、分解除去します。洗浄後は水で洗い流すだけと簡単です。

今回のまとめ

建築、外構工事で必ず使われるコンクリートは、セメント・砂利・砂・水を練ってつくられたもので、モルタルとは砂利の有無によって分けられます。モルタルよりも強度があることが特徴で、基礎作りや舗装には欠かせません。とても便利でよく使う素材ですが、その性質から留意しておかなければならない点もあります。

そのひとつがクラックです。コンクリートは曲げや伸縮などに弱い性質を持っているため、感想や温度差による膨張、伸縮で細いひび割れ(ヘアークラック)が起こります。これを防ぐためには施工前の準備がとても重要で、設計の段階から伸縮目地の入れ方や形状に考慮することで、クラックのリスクを減らすことができます。また、施工の際にもワイヤーメッシュを入れることで、ひび割れる確率を抑えることができます。

もうひとつが白華現象です。これはセメントと空気中の炭酸ガスによる化学反応で起きる現象で、表面上に白く粉を吹いたようになり景観を損ねてしまいます。対処方法としては、施工前に白華防止剤を使用することと、白華現象が起きた後すぐに除去剤で落とすことの二つがあります。白華防止剤を使っても完全に防ぐことはできないのですが、ヘアークラック同様に設計・施工をする側が考慮することでリスクを減らすことは可能です。

どちらも性質上、どこでも起こりうることですので、価格の安さだけを基準とせず、きちんとリスクの説明や回避の方法を知っている業者に依頼するのが一番です。「よく知らないけど、こんなものかな…?」と思っていたことでも、知っているだけで「何を頼んだらよいのか」「どこに注意すればよいのか」が分かりますの。外構やお庭のことで何かご不明な点などがございましたら、一度はお近くの専門業者にご相談されることをおすすめします。

ルボワでは現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにリモートワークを導入しています。また、リスク回避のために名古屋オフィスは閉鎖しております。ご来店にてのご相談は三河安城オフィスのみに限らせていただき、必ずご予約を取っていただくようにお願いをしております。お庭・外構に関するご相談には通常通り対応しておりますので、お電話もしくはメールにてお問合せください。

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