Garden Column Exterior glossary

台風のあとにも注意が必要!
塩害についての対策と対処法

台風シーズンの塩害に注意です

台風とともに発生することのある塩害について、ご自宅のお庭を守るためにも知っておきましょう。

こんにちは!愛知県安城市、刈谷市、知立市を中心に、三河地域のエクステリア・造園の設計および施工を行っている株式会社ルボワです。ルボワについては、ぜひこちらをご覧ください。

暦の上ではもう秋に突入していますが、まだまだ暑い日が続きます。お盆休みに入ってゆっくり羽を伸ばそう…と思っていた矢先に、台風が日本列島を直撃しました。これから9月頃までは台風のシーズンとしても気の休まらない日々が続くのかもしれませんね。そこで今回は、台風と関係する塩害(えんがい)について対処法も含めて、ご紹介します。ご自宅の大切なお庭を守るためにも知っておくと役に立つはずです。

目次

  1. そもそも塩害とは
  2. なぜ塩害でお庭がダメージを受けるの?
  3. 塩害への対処法は?
  4. 今回のまとめ

そもそも塩害(えんがい)とは

自然現象もしくは人的な要因により、塩分が植物や建物などに悪影響を及ぼすことです。今回は特に、台風などにより巻き上げられた海水が、雨風とともに降り注ぎ作物や建物などに害をなすケースについて取り上げます。これにより、海から離れている地域でも、屋外にある自転車や車に塩分が付着してサビの原因になったり、樹木や草花が枯れる原因になったりします。

なぜ塩害でお庭がダメージを受けるの?

浸透圧という言葉を聞いたことはあるでしょうか。細胞などの膜から、イオン濃度の差によって水が浸透していく際の圧力のことを言います。植物はこの浸透圧を利用して、根から水分や養分を吸い上げて、全身に行きわたらせています。水は濃度の薄い方から濃い方へと流れるので、根の細胞の濃度が周りより濃ければ自動的に水分や養分を得られるという仕組みです。

今回ご説明する塩害では、台風により運ばれた海水が雨とともに降ってきます。そして植物の葉や幹に直接付くだけではなく、土壌にも染み込んでしまいます。すると、根や葉よりも周りの濃度が濃くなることで、植物から水分が排出され、うまく水分と養分を補給できずに水切れと同じ状況が起きてしまうのです。

塩害によってみられる症状

  • しおれる、急に枯れる
  • 葉が茶色や黄色になる
  • 葉が縮れる

こうした症状が台風の過ぎ去った後に突然見られたら、塩害の疑いがあります。やはり水切れと同じように、葉が変色、変形することで見た目にも分かりやすくあらわれます。

塩害への対処法は?

対処法は、大きく三つあげられます。先にあげたような症状が出る前に行える準備と、万が一、塩害の影響だと思われる症状が植物に見られた場合とそれぞれあります。

  • 雨風が当たらないよう屋内に移動させる
  • 真水で洗い流す
  • 茶色くなってしまった葉はその部分のみ切り戻す

まずは、塩分に触れさせないことが重要ですので、鉢植えなどの移動が出来るものは予め屋内へと避難させます。これはもちろん、台風が通ると必ず塩害があるという訳ではないので、暴風で倒れたり飛ばされたりすることがないように、台風対策の一環としても行ってください。

つぎに、移動が出来ない樹木や植物に関しては、最も簡単で有効な手段が、台風が去ったらすぐに真水で洗い流すという方法です。塩分を含んだ雨を浴びて放置されているだけで、植物の水分はどんどん失われていきます。ですから、雨風にあたってしまったら、なるべく早く付着した塩分を取り除くように、ホースなどで水をかけて洗い流すようにしてください。

塩分を洗い流すことが重要

また、塩分の付着により、水分の蒸発が進んで葉が茶色などに変色してしまった場合は、元には戻らないため、その部分の切り戻しを行います。そうすることで残っている脇芽の生長を促すことができます。

塩分の除去を目的としていても植物は弱った状態にあるので、水や肥料のやりすぎには注意が必要です。

今回のまとめ

塩害は、自然環境や人的要因によって塩分が植物や建物に悪影響を及ぼすことです。沿岸部でなくても、台風などによって巻き上げられた海水が雨風とともに降ることで、海から離れた場所でも発生する可能性があります。塩分が植物に付着したり、土壌に染み込んだりすることで、植物は水分と養分の補給がうまく行えず、水切れのような状態に陥ってしまいます。そのため台風の直後に樹木や草花が急に枯れてしまったという現象が起きるのです。これらを防ぐためには、まず台風の前に移動できるものは屋内へと避難させておくこと、そして移動ができないものであれば、台風が去ったあとすぐに真水で塩分を洗い流すことが重要です。もしも塩害によって葉が変色したり、一部枯れてしまったりした場合は、その部分の切り戻しを行ってください。元には戻らなくても、脇芽が成長して少しずつまた元気になっていくことが期待できます。

また、台風のあとには「カーポートやフェンスが曲がってしまった」という報告をいただくこともあります。台風が去って、きちんと安全が確認されてから、一度お庭や外構などに異常がないか見回っていただくと良いかもしれません。外構だけでなく、植物も含めたお庭のこともご相談いただけますので、何かお困りのことなどがございましたらお気軽にご連絡ください。

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