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進化する外構の乾式施工 おすすめのウォール商品と施工事例をご紹介

エクステリア業界における「乾式工法」の特徴をご存じですか? 今回はブロック塀や門壁の代わりとして使われるユニット型の商品を、施工事例を交えてご紹介します。

こんにちは!愛知県安城市、刈谷市、知立市を中心に三河地域の外構・造園の設計および施工を行っている株式会社ルボワです。ルボワについての詳しいご案内は、ぜひこちらをご覧ください。

エクステリア業界における「乾式工法」の特徴をご存じですか?災害リスクや経年劣化を軽減するメリットがあるため近年一層注目を集めており、各メーカーが次々と商品開発を進めています。
今回はブロック塀や門壁の代わりとして使われるユニット型の商品を、施工事例を交えてご紹介します。

目次

  1. 乾式工法とは
  2. 外構の乾式壁【メリット】
  3. 外構の乾式壁【デメリット】
  4. おすすめ商品と施工事例のご紹介①エバーアードボード
  5. おすすめ商品と施工事例のご紹介②みられ(MIRARE)
  6. おすすめ商品と施工事例のご紹介③グランドアートウォール
  7. まとめ
  8. さいごに

乾式工法とは

建築や外構には「湿式工法(しっしきこうほう)」と「乾式工法(かんしきこうほう)」という工法の種類があります。
その違いは、簡潔に言うと水を使用しているかどうかです。
かつては湿式工法が一般的でした。職人が現場で水を混ぜてモルタルなど材料を作り、ブロックやレンガを手作業で積み、仕上げる作業が主となる工法です。


一方で乾式工法は、文字通り乾燥した材料を組み合わせて作る工法を指します。
材料は工場で作られ、現場では組み立てるだけなので工期が一気に短縮されるのが大きな特徴です。


外構の場合は、門壁や目隠し壁、仕切り塀などを施工する際に湿式・乾式を選択します。
下地の補強を行うことで電気配管を通すこともポストの設置も可能です。パーツの形状や施工方法は商品によって様々なので、施工を得意とするのは左官職人よりもエクステリア商品の組み立てに慣れたアルミ職人などが該当します。

外構の乾式壁【メリット】

  1. 施工性
    先ほど特徴の1つとしても挙げましたが、乾式壁は比較的短工期で設置出来るメリットがあります。工場での大量生産と、この施工手間の削減がコストパフォーマンス良く提供出来る強みなのです。
  2. 安全性と耐久性
    震災の多いこの日本では、ブロック塀の造作には厳しい安全基準が定められています。背の高い壁はt(トン)単位で重量がかかります。倒壊して下敷きになる恐れがある場所では、命の危険は計り知れません。基礎幅が十分に取れない場所、通路や道路に近い場所は特にリスクが高いです。そのような場所で活躍するのが、軽量素材で構成された乾式壁です。また、天然素材は経年劣化が著しいのに対し、人工素材であるため耐久性にも優れています。
  3. 高さのある壁が実現
    安全性のメリットと同様に、軽量素材で組み立てるため、通常のブロック積みでは基準外となる高さでも塀をつくることが出来ます。※高さに応じた土台の補強が必須です。

外構の乾式壁【デメリット】

  1. 現場加工に適さない
    ブロック積みでつくる壁の場合は、工事の最中に長さを変えたい、形を変えたいといった要望に対して柔軟に応えることが可能です。対して乾式壁の場合は工場で既にカット加工されたパーツを使うため、現場加工には制限があります。そのため長さや高さだけでなく、ポストなどを設置する場合はその取付位置も予め決めておくことが必要です。
  2. 土留めとしての使用不可
    見た目は壁のようでも土圧には耐えられません。高低差のある場所で土留めとして利用することは出来ないので注意が必要です。

おすすめ商品と施工事例のご紹介

①エバーアートボード【タカショー】

※フェンスセット、ウォールセットなど

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リアリティを追求した見た目で、住宅から公共施設まで、多彩な場面で活躍する商品です。テクスチャーシートをラッピングした壁材で、アルミとプラスチックの複合材のため軽量なユニット塀が実現します。
最大の特徴はカラーバリエーションの豊富さです。定番の木柄から、竹垣を繊細に表現した和柄、さらには石柄やメタルカラーまで、その数はなんと驚きの88色(2022年時点)。

カラーバリエーション(一部)


また、木柄は同テクスチャーの門扉やフェンス商品も展開されており、塀と合わせて門周りを一体にデザインすることが出来るのも魅力です。

〈おすすめの利用シーン〉門壁、背景の意匠壁として

施工事例1 エバーアートボード 色:ラストグリーン+ホワイトマーブル
施工事例2 エバーアートボード 色:マットブラック

おすすめ商品と施工事例のご紹介

②みられ(MIRARE)【三協立山アルミ】

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模様の表現に加えて質感にもこだわっている注目の商品です。硬質低発砲ウレタン樹脂が使われています。
大谷石調・杉板RC調の意匠が印刷により施されているため、塗装などの仕上げは不要です。新たにスタイリッシュなアルミ壁材も登場したばかりです。
大谷石を凹凸まで細かく再現した壁材は珍しく、和モダンな外構にもピッタリです。

みられ 大谷石調
みられ 杉板RC調
みられ アルミ壁材

〈おすすめの利用シーン〉門壁、仕切り壁として

施工事例3 みられ 大谷石調

おすすめ商品と施工事例のご紹介

③グランドアートウォール【GAW INNOVATION】

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こちらも軽量素材の1つ、特殊発砲素材を用いた商品です。曲線やくり抜き加工が可能な自由度の高い壁材です。こちらの商品は既存のブロックの上にも設置可能です。※ブロックの状態によっては補強が必要です。
仕上げ方法も湿式と遜色なく、塗装やタイル張りが可能です。そのため建物の外壁とデザインを合わせられるので、ガレージ壁にもおすすめです。

〈おすすめの利用シーン〉長距離塀、ガレージ壁として

施工事例4 グランドアートウォール 鎧壁塗装
施工事例4 グランドアートウォール 装飾取付

まとめ

建築や外構には「湿式工法(しっしきこうほう)」と「乾式工法(かんしきこうほう)」という工法の種類があります。その違いは、簡潔に言うと水を使用しているかどうかです。

外構の乾式壁のメリットとして、1.施工性 2.安全性と耐久性 3.高さのある壁が実現 といった点が挙げられます。逆にデメリットとしては、1.現場加工に適さない 2.土留めとしての使用不可 という点が挙げられます。

乾式施工のウォール商品には、タカショーの「エバーアートボード」、三協立山アルミの「みられ(MIRARE)」、GAW INNOVATIONの「グランドアートウォール」といった商品があります。

さいごに

これまで壁をたてるのを諦めていた場所も、乾式壁なら実現するかもしれません。
興味のある方はぜひご相談ください。

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