Garden Column Plants note

セラピー効果も期待できる!
お庭におすすめの香り高い樹木

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造園や外構を造るうえで、樹木はとても重要な役割を担っています。その中でも木が持つ香りに注目して、ご紹介します。

こんにちは!愛知県安城市、刈谷市、知立市を中心に三河地域の外構・造園の設計および施工を行っている株式会社ルボワです。ルボワについての詳しい案内はこちらをご覧ください。

お盆の連休が明け、厳しい暑さが続くものの、朝晩のわずかな涼しさに夏の終わりを感じます。気づけば日が沈むのも早くなり、次の季節も意識してしまいます。それにしても庭の植木や野菜はよく酷暑に耐えてくれました。
さて、造園や外構を造るうえで、樹木はとても重要な役割を持っています。花や葉の彩りを景色に加えるだけではなく、目隠しをする、木陰をつくる、全体のボリュームバランスを整えるなど多岐にわたります。私たちの生活に身近にある樹木は、個人宅でも都市部でも、五感をとおして私たちにメッセージを送っています。今回はそのなかでも嗅覚(香り)をピックアップして、特徴的な樹木を紹介させていただきたいと思います。

目次

  1. 幹、枝、葉に香りのある樹木
  2. 花に香りのある樹木
  3. 香りの木を取り入れるメリット
  4. 今回のまとめ

幹、枝、葉に香りのある樹木

クロモジ(黒文字)

クスノキ科クロモジ属 落葉低木

枝葉を折ったときに爽やかな良い香りがします。その香り高さから、和菓子などに添えられる高級楊枝として利用されています。
日陰から半日陰の環境が育ちやすい、クスノキ科の落葉低木です。樹皮に黒い斑点があり、それが文字のように見えたことからクロモジ(黒文字)と呼ばれるようになった説があります。生長は年間に20㎝ほどで比較的ゆっくりですが、最終樹高は4mほどにとどまります。

クスノキ(楠)

クスノキ科クスノキ属 常緑高木

枝、葉、根に樟脳(しょうのう)を含み、その独特な香りは防虫効果もあるので、古くから防腐剤や建築や家具の材料としても使われてきました。5月に咲く花からも良い香りがします。公園や神社にも植えられているので、私たちになじみ深い木のひとつでもあります。生長は比較的早く年間に50cmほど枝が伸び、最終樹高は20m以上にもなりますので、一般家庭にはあまり適さないかもしれません。

ゲッケイジュ(月桂樹、ローリエ、ローレル)

クスノキ科ゲッケイジュ属 常緑高木

葉に芳香があり、古くから香辛料として多くの料理に利用されています。最終樹高は10m以上になります。栄光、勝利の花言葉をもつゲッケイジュの葉は、古代ギリシャには勝者への冠としても使われていました。カイガラムシがつき、すす病になることがあるので注意が必要です。

花に香りのある樹木

カラタネオガタマ(トウオガタマ、バナナツリー)

モクレン科オガタマノキ属 常緑低木

5月ごろに咲く花からはバナナに似た甘い香りがします。半日陰のやや湿り気のある土地が適しています。最高樹高は4mほどで、花が紅色の園芸品種「ポートワイン」もあります。

クチナシ(梔子、ガーデニア)

アカネ科クチナシ属 常緑低木

6月ごろに白い花を咲かせ、甘い香りを放ちます。「夏の梔子(クチナシ)」、春の沈丁花、秋の金木犀をあわせて三大香木と称されています。半日陰の湿り気のある土地を好み、最終樹高は3mほどです。オオスカシバの幼虫がつきやすいので注意が必要です。
クチナシの実にはあまり香りがありませんが、料理の色付けに使われたり、漢方薬の山梔子(さんしし)として使われたりします。変種のコクチナシはクチナシに比べて、花、葉、株ともに小型で香りも控えめです。

ジンチョウゲ(沈丁花)

ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属 常緑低木

3月ごろに咲く花は、とても品のある香りで春を代表する香木です。「春の沈丁花」、夏の梔子、秋の金木犀をあわせて三大香木と称されています。最終樹高は1.5mほどなので管理もしやすく、家庭でも育てやすい樹木のひとつです。

キンモクセイ(金木犀)

モクセイ科モクセイ属 常緑高木

10月ごろに咲くオレンジ色のかわいい花からは、強く甘い香りを放ちます。「秋の金木犀」、春の沈丁花、夏の梔子をあわせて三大香木と称されています。秋を代表する香木のキンモクセイは、丈夫で育てやすく、最終樹高は6mほどになります。

ミツマタ(三椏、ムスビギ)

ジンチョウゲ科ミツマタ属 落葉低木

3月ごろに黄色の花を咲かせ、繊細でとても品の良い香りを放ちます。最終樹高は2mほどになります。花をつける枝が3つに分岐しているのが名前の由来になっています。また、良質な繊維質の樹皮は、和紙や紙幣などの原料として利用されます。

香りの木を取り入れるメリット

ここまで、香りの良い樹木をいくつかご紹介しましたが、気になるものは見つかったでしょうか?今回ご紹介している良い香りのする樹木は、ガーデンセラピーの観点からもお庭に取り入れるメリットがあります。

ガーデンセラピーでは植物を生活の一部として取り入れることで、健康な暮らしと健康寿命の増進をはかります。それは「住まい方療法」と呼ばれ、嗅覚だけでなく視覚や触覚などの五感を刺激することで脳が活性化され、結果的に病気を未然に防いだり、健康寿命を延ばしたりすることに繋がるという統合的な療法のことを言います。

芳香療法はその住まい方療法のなかのひとつで、花や樹木などが放つ香りを利用して病気の予防や、健康増進、精神的な癒しなどを行う療法です。例えば、森林の中で深呼吸をすると、どこか清々しい気持ちになり、心がほぐれるような感覚などは覚えがあるのではないでしょうか。

健康志向が年々高まっていくなか、心身ともに健全な暮らしを各家庭でも考えていくというのは、個人のライフスタイルが重視される現代において必要な考え方のひとつになっていくはずです。

樹木からはフィトンチッドという物質が放出されており、それがいわゆる森や木の香りと呼ばれるものです。フィトンチッドにはリラックス効果やストレスの軽減、さらには消臭や殺菌の効果などがあることが科学的にも証明されています。

今回のまとめ

造園や外構を造るうえで、樹木はとても重要な役割を持っています。景色を彩ることはもちろん、目隠しや木陰をつくる役割など生活のなかでも一役買っています。ガーデンセラピーの観点から言っても、嗅覚や視覚、触覚、味覚などの五感を刺激する植物は、これからの健康的な暮らしのためにも、ぜひ各家庭に取り入れていただきたいと思います。
小さいお子様がいらっしゃるご家庭でしたら、情操教育の一環としても効果は十分に期待できるものですし、癒しの効果やストレス軽減効果などはどなたにでもあてはまるもので、現代においては特に見過ごせない要素です。

「植物には詳しくないからお任せするよ」と言われることもしばしばありますが、せっかくならば今回の記事を参考にしていただき、ご自身でもお気に入りの樹木や草花を見つけて取り入れると、より愛着のわく場所になると思います。

また、ルボワではお庭や外構によって今の暮らしがより豊かになるご提案を重視しているので、無理に植物を取り入れる必要はないとも考えています。何がご自身やご家族にとって最適な暮らしなのかを考えることが、一番シンプルで重要なことだと思いますので、今後つづいていく毎日のことを想像しながら、無理せずに自然体で過ごせる暮らしを実現させましょう。そのお手伝いがルボワにできるのであれば大変嬉しいですし、今のお庭や外構に関係することでお悩みのことなどがありましたらぜひご相談ください。お待ちしております。

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